比嘉周作　ほろほろ写真館　　

夏の沖縄の日差しと、涼しげな風が吹く中、


今朝、玄関を開けると、女友達が泣きながら立っていた。



昨夜から飲み明かし、



いつものように川の字になった友達と迎え、



昨夜 誰かが差し入れた　さんぴん茶をいれ、



涙でうまくしゃべれない彼女を座らせ


囲みながら話を聴く。



大事なことを相談する夫や妻のいない、


独身のチームワークだ。


いつもは僕の側にいるジャンくんは


なんだかちょっとクライングガールに近い位置で


寝そべっている。


我関せず、でも「さりげなく側に寄りそう派」


のジャンくんも　独身と言えば独身だ。





書きかけ中の　独身の男から続きである「運命の人っているの？」


を書いている最中だったけれども、クライングガールは緊急事態だ。





聴くところによるとどうやら、習い事をしているグループが


あって、彼女はそこで頑張っていたのだが、　


とある事情で　そのグループの先生に言われて辞めさせられたらしい。



夏の沖縄の朝は　必ずしもキラキラしているとは限らないようだ。



この子は　仕事先も終わって求職中になったばかり、


その矢先に　心の寄りどころも無くした。


しばらく話していて　思うのだけれども、


無くすということは　悲しいことなのだろうか。


僕は　別れを切り出されたら　凹むけれど、　それはいつまで


たっても慣れはしない。


でも、それは次の出会いなのだ。


無くすと空っぽに　なるし　この虚無感は　なんとも言い難い。


だけれども、　変わりに何かが　手に入る。


失うことは怖くはないと。


僕は１００点取れそうなときに１００点取れなかったら落ち込む。


そして変わりに１２０点を狙う。


１００点で到達できたはずのラインのさらに上を狙うのだ。


この話を力説しているときに


「行政のありかたを！！！！」


なんていう選挙カーが通り過ぎ、


他の友達が


「飲み物おかわりする？」


などなど声掛けするので


この話は　非常に間が悪いトークになり


僕が内心で思うほどの半分も


クライングガールの　胸を打たなかったのだけれども（笑）



男の意見、


女の意見、


それぞれに個性をトッピングしたアドバイスをする


僕らの前で　いろいろと話して　クライングガールは　泣きやんで、


笑顔を　少しずつ取り戻してきた。


最後には　冗談も　いいながら　去って行った。


立ち去り際のその笑顔は　意外と　キラキラしていて


夏の沖縄にふさわしい気がした。