比嘉周作　ほろほろ写真館　　

車を買い換える時、
とても嬉しいですよネ。


でも、
いざ新車を注文してから、
納車の日まで…。

同じように今まで、乗っていた愛車とお別れする日も近づいています。


新車が来る日はワクワク！
新車が来た喜びで、車の説明をされても、上の空だったり…。

以前に、こんな話があります。

ボクが、新車を納車した時のお話。


いつものように、

お客様に新車を納車して、
廃車のお車に乗って帰る時、

ルームミラーを見ると、

新車を買っていただいた、
お客様がずっと姿が見えなくなるまで見送っていました。

しばらくして、


ボクは、運転しながら廃車の車の中にガソリンスタンドの給油カードとか、忘れ物が無いかチェックしました。

すると、


禁煙車だった車の灰皿に、


赤色で模様の入った、
一通の可愛く折った手紙が入っていました。

ボクは、
『もしかしたら、その手紙はお守りとか重要な“モノ”かもしれない…。』
と、思ったので車を止めて、

少し戸惑ったのですが、思い切って手紙を開けて見ました。


…すると、


それは忘れ物では無く、
お客様が、これから廃車する車への手紙でした…。



『今まで長い間、本当にありがとう。
いっぱい走って疲れたでしょう。
ずっと守ってくれたね。
離れるのがとてもつらいです。
ごめんね。
また新しく車になって素敵な出会いをして欲しいです。
ありがとう ずっとありがとう。』


と、書いてありました。


ボクは、その手紙を読んで、
そっともとあった灰皿にしまい、
その愛情いっぱいだった
廃車する車を大切に乗って帰りました。


その車との短い出会いに、ボクは気づかされました。

その日から、廃車するお車はすべて、
お客様の思い出が、いっぱい詰まった車。
だから、

廃車の車も最後まで責任を持って大切にお付き合いしたいと思って対応しています。