比嘉周作　ほろほろ写真館　　

僕は週末の披露宴司会、インディーズ映画の撮影を終えて、

今は憩いの時間。

２月半ばから休みがなく、４月４日まで休日はないだろう。
今しかやれないし、４月４日も可能なら勉強の時間を入れたい。

休みを取れば？と言われるが、今年はなんだか違う。

例えば、仕事の幅がやっと広がりを見せはじめた。

ズバリ、映画だ。

好きなものであり、時間を割いてきた。

楽しい半面、夜中に映画を観ていたら一瞬怖くなることもある。

例えば、豊川悦司が４０代ぐらいの役を演じていて、魅力的だとする。

ふと我が身を振り返り４０代になるまでに俺はどれだけやれてんのだろう？
どれだけ活きてんのだろう？

と怖くなる。
あと五年で４０代だ。

ワーオ。

時には情熱的な気持ちにもなる。

前しか見えない。

巨乳の谷間しか見えないのと同じように。

あの隙間に埋まりたい、と。

太ももでもいい。

女性の美しい太ももはこの世でもっとも魅力的なチキンだ。

・・・。

あれ？

まぁ、いいや。

なんだっけ？

ああ、だから、

お気に入りのクリームパスタを食べているこの時間はとても大切。

斜め向かいのオッサンがつまらない話しを大声で話すのが、

「真空飛び膝蹴りやっちゃうぞ？」

なんて思わせる。

この数時間はのん気にいたい。

のん気タイム。

のんチャンと一緒なんだ。

そして僕はランチをしながら、何度も読み返す雑誌がある。

雑誌には辻仁成のコラムがある。

彼のコラムが僕の糧になっている。

彼はパリに住んでいる。

朝５時頃に起きて、メールチェック。
締切催促のメール。

朝は和服で仕事。

七時半に妻と息子が起きてくる。

妻はあの妻だ。

息子を送ったあとにカフェに行く。

午後はランニング。
自分のバンドの曲を聴きながら走る。

大概はセーヌ河畔を走るそうだ。

腹筋やストレッチをしてから昼食まで一仕事。

その後は小説と歌の練習。

夕方は子供を迎え、ワインを買いに行く。


辻さんの仕事場には古道具屋で購入した大きなダイニングテーブルがある。

ものにはこだわる方で卓上には文房具やアンティークの小物があるそう。

映画＆小説＆音楽のものが溢れ返っている。

白壁にはアイデア満載のポストイットが貼られてある。

東京にいると小説、映画、音楽の仕事が待ち構え、
パリにいると家族と創作だけがある。

辻さんは東京にいたころは、自分を見失いがちだったそうだ。

十年したらスペインに引っ越しをするかもしれないと妻とも話しているとか。



これが辻さんのコラムの一つ。

僕は一人、沖縄のカフェに居ながら、
辻さんの生活を想像する。

辻さんは素晴らしいパートナーを持っているんだとも思う。

外見だけでなく中身も素晴らしい奥さんなんだろう。

僕は世界中に子供を作るという、目標があるので、こうはいかないなー、なんて。

よほどの事がない限り、一人の人と連れ添うなんて、難しいだろう。

時には夢を描くけれど。
一人の女性を愛し抜くのは幸せだろうな、って。

想像してると電話が入った。

かりゆし系列の披露宴司会打ち合わせのスケジュール調整だ。

場所と時間を決めスケジュール帳に書く。

最近はスケジュール帳に書くのがメインになっている。

司会は楽しい。

様々な夫婦に出会える。

映画はずっと好きだけど、同じ映画ばかり観るわけじゃないし一生飽きることがないだろう。

ラジオもずっと喋ってる。

今まで、長期的なプランがなく、今情熱を傾ける事ができる対象にとにもかくにも取り組んできた。

あっさり燃え尽きることもある。

やってみて
「ありゃ？これはなんだか理想と違う」
となるとあっさり辞めちゃう。

だって、楽しくないと意味がないし、夢中になれないと続かない。

振り返り、めちゃくちゃ有意義だったな、と思えないと後悔する。

クリームパスタを食べ終わり、デザートのケーキをセレクト。

帰宅したらゆっくりと湯舟に浸かりたいな。

帰りはどこかでバスタブとか買おうかな。

ゆっくりした午後が終わろうとしている。

ケーキは久しぶりに、ティラミスにした。

一口食べながら、今日という日を想う。


夕方には生放送だ。