安里独語

比嘉周作  

2010年01月20日 08:03

2007年8月14日。
友人まいくらさんと、南風原町にある「ゴーゴーカレー」に行きました。
何故、今、この在りし日のことを話題にしたのか…
ようやく僕の胃袋が、消化できたからです。
意味がわからないのは承知しています。
それをこれから説明致しましょう。

まいくらさんから「是非安里さんに紹介したいカレー屋さんがあります」と、満面の笑顔でお店を紹介してくれました。
当時、毎日のように体調を崩していた僕は、そのときにやっていたブログで「今日はどれくらい具合が悪いか」を自慢するように書いていまして。
それを心配したまいくらさんが気を利かせて食事に誘ってくれたのです。
そのとき、心から「まいくらさんはいい人だ」と僕は感謝しました。
純情だったのです、僕は。今も昔も
だから、処女雪のように真っ白に敷き詰められた純白の心の僕は、気づくことが出来ませんでした。
まいくらさんの笑顔の裏に隠された策謀を。
嬉しそうに左右に揺れる、悪魔のしっぽを。

お店に向かう前、「言っておきますが、この店の大盛りの量、ただごとじゃないですよ」とまいくらさんは微笑みます。天使のように柔らかく、ほのかに光を感じる優しい微笑みです。当然それは、僕のテンションをあげる為だろうと思っていました。純情なので。
純情な感情が空回り…という、懐かしのメロディーが脳裏に流れてきたのは、お店に到着し、「大盛り」を注文し、それがついに僕の目の前に登場したときです。
それを見て、
ありえねぇ~…
と、
思わず放心状態になりました。
それくらい、凄まじい量でした。大盛りカレー。
まいくらさんの微笑みの裏に隠された陰謀を、僕はこのときようやく理解したのです。文字通り、臓腑に染み渡るほど。

僕が注文したのは「メジャーカレー」
大盛りとかいうレベルのトッピングではありません。
正気じゃないです、あの盛り方は。
どうかしてます
ご飯もカレーのルーも、牛と豚のカツレツの太さと量も、むしろ残酷なほどすさまじく重なり合い、その盛り上がり方が前代未聞です。
見ただけで、お腹がいっぱいになりました。

言葉を失った僕に、まいくらさんはにこにこと、こう提案しました。
「安里さん、もちろん、全部食べるんですよね?じゃあもし残してしまったら謝罪のシーンを撮影しましょう
と。

悪魔です。

まいくらさんの魔界の交渉術に乗せられ、
それでも、正義が屈するわけにはいかぬ!と背水の陣で山盛りのカレーに挑み、
結果、
頭を下げました(笑)。
それを写真に撮られ、当時のブログにアップしました。
屈辱の敗戦でした。
まいくらさんはお気づきだったはずですが、途中から僕の目が泳ぎはじめ、会話では完全な聞き手に終始しました。
てか、しゃべる余裕なんてありゃしません(笑)。

残してしまった分はきっちりお持ち帰り。
店員さんにも頭を下げまくり。
あのとき食べた…食べきれなかったカレーを、ようやく、消化できました、というお話でした(笑)。
あ、まいくらさんはとっても素晴らしくて優しいお方ですよ(ここ重要)
今度また、美味しいお店を紹介してくださいね~(笑)。

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